「親元未婚」とは、親と同居する未婚者を指すそうです。
総務省統計研修所の西文彦著のレポート「親と同居の未婚者の最近の状況」から、気になる統計分析からの見解を紹介させていただきます。
未婚者のうち、20~50代の親元未婚者はどのぐらいの人数だと想像しますか?
2015年調べで約1430万人(男女あわせて)。
ちょっとピンと来ないでしょうが、未婚人口全体のうち約7割が親と同居しているそうです。
若い世代ではなくアラフォー世代も、親元未婚者は男性182万人、女性126万人とかなり高く人口比にして17%。
結構多い数字だと認識するところです。
結婚相談所においては、親と同居している男性会員さんは3割ぐらい、女性は6割ぐらいの感じです。(京都、大阪、滋賀)一般よりやや、少ないような気がしないでもないです。
さらには、生涯未婚率が急上昇を始めた1990年代から、それまでに変わって単身未婚より親元未婚のほうが20%も上回ったとのことで、それは何を意味するかというと「親元未婚の比率がずっと右肩上がりであるのに対して、単身未婚は男女とも2010年から2015年にかけては下降していることです。単身未婚率は下がっているのに全体のアラフォー未婚率が上がっているのは、親元未婚のせい」と。
親元から独立できる経済力が得られないことが、少なからず生涯未婚率が上げる要因になっているのかもしれません。
一方、こうも思います。
経済が右肩上がりだったころも、やはり十分な給料が得られない20代、30代の人たちはいっぱいいました。
でも、豊かでないなりに独り暮らし(風呂なし極狭い、立地条件が悪い場所にあるアパート)をしていたものです。
で、そういう男女が出会い、恋に落ち家庭を築いて行ったのです。
少しでも上を目指し夢を抱き、「中流家庭」を作るべく必死で働いたというわけです。
「大人になってから独身のまま親と同居する」ということが珍しかった時代、言い換えればそういう選択肢がなかった時代の話でした。
ちなみに、女性の場合は職を持たない人もいたので、「家事手伝い」というカタチでずっと親元にいる人はいました。
正直、特異な目で見られていた時代でもありました。
今と全然違いました。